鹿の戦いの想い。

雪解けが始まった森のなかの唐松の木に奇妙なものを見つけた。爪で掻きとったような跡と皮を剥ぎ取った跡だ。鹿の角を研いだ跡だと知った。鹿の雄は毎年、角が生え変わるのだと言う。幼い鹿は、小さな角が生えて秋には落ちてしまう、何年か繰り返すうちに大人になった鹿の角は素晴らしい形に成長する。角は、伸びているうちは皮膚のようなもので覆われて、血も通い成長を続ける。秋になり成長が止まると骨として固まる。その頃、発情して雌を獲得する為の戦いを始める。その時、戦う為に皮膚を落とした角を戦闘用に研ぐらしい。その角研ぎの跡だそうである。森のなかでも大きな戦いがあるのですね。隣りの木は、鹿が皮を食べた跡です。